コーヒーの味わいや香りを左右する重要な要素のひとつが「焙煎」です。今回は、コーヒーの焙煎について、その基本から焙煎度合い、自宅での焙煎方法、さらにはおすすめの焙煎所やサービスについて詳しくご紹介します!
コーヒー豆の焙煎とは?
コーヒー豆の焙煎とは、生豆(グリーンコーヒー)を加熱し、香りや味を引き出すプロセスのことを指します。焙煎は、コーヒーの風味とアロマを決定する非常に重要な工程です。生豆の状態ではほとんど香りや味がなく、焙煎を行うことで、豆の内部で化学反応が起こり、複雑な香りと豊かな味わいが生まれます。
焙煎は、一般的に180〜250度の高温で行われ、焙煎時間や温度のコントロールによって、さまざまな味わいや香りが引き出されます。焙煎度合いが浅いほど酸味が強く、深いほど苦味が強調されるのが特徴です。また、焙煎の過程で、豆が膨らみ、色が濃くなり、表面にオイルが現れるなど、目に見える変化も楽しむことができます。
コーヒー豆の焙煎時間と焙煎度合い
コーヒー豆の焙煎時間と温度は、焙煎度合いに大きく影響します。焙煎が進むにつれて、豆の内部での化学反応が変化し、風味や香り(アロマ)も変わってきます。一般的には、焙煎時間が短く、温度が低いと「浅煎り」となり、酸味やフルーティーな風味が際立ちます。一方、焙煎時間が長く、温度が高いと「深煎り」となり、苦味やコクが強調されます。
焙煎は「ファーストクラック」と「セカンドクラック」という2つの大きな変化点があります。ファーストクラックは、豆が膨らみ、中に含まれる水分が蒸発して破裂する音がする段階で、ここから焙煎度合いが浅煎りから中煎りに変わります。セカンドクラックは、さらに加熱が進み、豆の内部のセルロースが破裂する音で、深煎りに向かう段階です。
コーヒー豆の8つの焙煎度合い
コーヒーの焙煎度合いは大きく8つに分類され、それぞれに異なる特徴と味わいがあります。以下では、各焙煎度合いについて詳しく解説します。
ちなみに、これらの分類はあくまでも焙煎度を示す目安でしかありません。お店によって多少の違いがありますので注意してください。
下記の呼称以外にもシンプルに「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」と呼ぶこともあり、この場合はお店による焙煎の定義の差がより発生しやすい印象です。とある店の「中煎り」が別の店の「浅煎り」と同じぐらいの焙煎、ということはよくあります。
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ライトロースト(極浅煎り)
ライトローストは、最も浅煎りの焙煎度合いで、豆が淡い茶色をしており、表面にオイルは見られません。酸味が非常に強く、豆本来のフルーティーで花のような香りを楽しむことができます。コーヒー通の中では、フルーティーな風味を好む方に人気です。
シナモンロースト(浅煎り)
シナモンローストは、ライトローストより少しだけ焙煎時間が長く、色は明るい茶色です。酸味がやや落ち着きますが、まだ強いままで、軽いボディと明るい風味が特徴です。豆の個性をしっかりと感じたい場合におすすめです。
ミディアムロースト(中浅煎り)
ミディアムローストは、ファーストクラックの後、やや時間をかけて焙煎された状態です。酸味と甘味のバランスが良く、やや明るい味わいを楽しむことができます。アメリカンコーヒーとしてよく用いられる焙煎度合いです。
ハイロースト(中煎り)
ハイローストは、ミディアムローストよりさらに焙煎を進めた状態で、酸味と苦味のバランスが取れた味わいが特徴です。香ばしさが増し、豆本来の風味を損なわずにバランスよく楽しめるため、万人受けするコーヒーとなります。
シティロースト(中深煎り)
シティローストは、セカンドクラックの直前で焙煎を止めた状態で、甘味と苦味が共存した味わいです。程よい酸味と甘み、しっかりとしたボディ感があり、ハイローストよりもコクや質感を楽しむことができます。
フルシティロースト(中深~深煎り)
フルシティローストは、セカンドクラックが始まった直後に焙煎を止める度合いです。しっかりとした苦味とコクがありつつ甘みも感じられ、チョコレートやナッツのような風味が楽しめます。
フレンチロースト(深煎り)
フレンチローストは、セカンドクラックをしっかりと進めた深煎りの焙煎度合いで、豆の表面にオイルが現れます。強い苦味とスモーキーな風味、濃厚な味わいが特徴で、アイスコーヒーとしてもおすすめです。
イタリアンロースト(極深煎り)
イタリアンローストは、焙煎を限界まで進めた極深煎りです。真っ黒な色合いで、豆の表面には多くのオイルが浮き出ています。非常に強い苦味とコクがあり、エスプレッソとして楽しむのに最適です。
自宅でできるコーヒーの焙煎のやり方
自宅でコーヒーの焙煎を楽しむこともできます。必要なのは生豆と焙煎用の器具だけです。以下の方法で、自宅で簡単に焙煎を始めてみましょう。
- 準備: 生豆(グリーンコーヒー)と焙煎用の道具を用意します。専用のコーヒーロースターがあると便利ですが、フライパンやオーブンでも代用可能です。
- 焙煎を始める: 中火で加熱し、生豆を入れます。豆を均等に加熱するために、フライパンの場合は常にかき混ぜることが重要です。オーブンの場合は、適度にかき混ぜてください。
- ファーストクラックを確認する: 焙煎が進むと「パチパチ」という音(ファーストクラック)が聞こえてきます。これが浅煎りから中煎りの目安です。
- 焙煎度合いを調整する: お好みの焙煎度合いになるまで焙煎を続けます。セカンドクラックの音が聞こえ始めたら、深煎りのタイミングです。
- 冷却: 焙煎が完了したら、すぐに豆を冷却します。冷却が遅れると余熱で焙煎が進み過ぎることがあるため、素早く行いましょう。
https://www.homegrounds.co/how-to-roast-coffee-beans ロースト度について | REDPOISONRED POISON COFFEE ROASTERS では現在、焙煎度を大まかに3段階に分けています。BRIGHT ROAST・MIDDLE ROAST・LIGHT DARK ROASTという表現は当店独自のものとなります。
おすすめのコーヒー焙煎所/ロースタリー
焙煎したての新鮮なコーヒーを楽しむなら、信頼できるロースタリーの豆を選ぶのも良いでしょう。以下のロースタリーは、品質の高いコーヒーを提供しており、コーヒー愛好家に人気です。
ROKUMEI COFFEE
奈良に本拠を構えるROKUMEI COFFEEは、高品質なシングルオリジンのコーヒー豆を提供することで知られています。ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ(JCRC)で優勝経験のある焙煎士の井田浩司氏が代表を務めており、焙煎技術には定評があります。ライトローストからフルシティローストまで、多様な焙煎度合いの豆を揃えています。
LIGHT UP COFFEE
東京・下北沢のLIGHT UP COFFEEは、浅煎り専門のロースタリーでフルーティーな味わいが魅力です。スペシャルティコーヒーに特化しており、シングルオリジンの豆を使用した豊かな風味が楽しめます。
堀口珈琲
堀口珈琲は、東京都内を中心に展開する老舗のロースタリーで、焙煎のプロフェッショナルたちが焙煎する高品質なコーヒー豆を提供しています。ハイローストからイタリアンローストまでの幅広いラインナップが特徴です。浅すぎない焙煎度が好きな方におすすめです。
横浜には規模の大きいロースタリーがあり、予約すれば見学することも可能です。
いろんな焙煎のコーヒー豆が楽しめるサービス/ロースタリー
自宅でさまざまな焙煎のコーヒー豆を楽しみたい方には、サブスクリプションサービスや多種多様な豆を扱う焙煎所の利用もおすすめです。
POST COFFEE
POST COFFEEは、オンラインでコーヒー豆のサブスクリプションを提供しているサービスで、毎月新しい豆が自宅に届きます。焙煎度合いや風味の異なる豆を試せるので、コーヒーの新たな一面を発見するのにぴったりです。
豆善
豆善は、品質の高いコーヒー豆を厳選して提供するオンラインショップです。豊富なラインナップの中から、自分の好みに合った焙煎度合いの豆を選ぶことができます。サブスクリプションサービスも行っています。
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常盤珈琲焙煎所
常盤珈琲焙煎所は、埼玉を拠点に展開する焙煎所で、世界各地の農園から直接仕入れた品質の高い豆を使用しています。新鮮な焙煎豆を提供しており、オンラインでも注文時に焙煎度を指定することが可能です。
まとめ
コーヒーの焙煎は、コーヒーの味わいと香りを決定する重要な工程です。焙煎度合いによって味わいが大きく変わるため、ぜひさまざまな焙煎度合いを試して、自分好みのコーヒーを見つけてください。また、自宅で焙煎に挑戦するのも新たなコーヒー体験として楽しめます。いろいろな焙煎所やサービスを活用して、コーヒーライフをより充実させましょう!