ブレンドコーヒーとは?ストレートコーヒー(シングルオリジン)との違いや魅力を解説

ブレンドコーヒーの魅力 コーヒーの知識

カフェや喫茶店、コーヒー豆屋さんの定番メニューとも言える「ブレンドコーヒー」。何を頼むか悩んんだら、とりあえずブレンドコーヒーを頼む方も多いのではないでしょうか?この記事ではブレンドコーヒーとストレート(シングルオリジン)コーヒーとの違いや魅力について解説します。

ブレンドコーヒーとは

ブレンドコーヒーとは、異なる種類のコーヒー豆を組み合わせて(混ぜる=ブレンドする)作られるコーヒーのことです。ブレンドの目的は、異なる豆の特性を活かし、それぞれの豆が持つ風味や香りを引き立てたり、バランスを整えたりすることにあります。たとえば、酸味の強い豆と苦味のある豆を組み合わせることで、酸味と苦味のバランスが取れたコーヒーが作り出せます。

ブレンドはコーヒーロースター(焙煎業者)やバリスタ、お店によってはブレンダーと呼ばれる専門職の方によって慎重に行われ、最終的な味わいをデザインされています。ブレンドには、特定の味わいや香りを強調するために使われる「シグネチャーブレンド」と呼ばれるものや、季節ごとに異なる味わいを楽しめる「シーズナルブレンド」など、さまざまなタイプがあります。

ブレンドコーヒーは、特定の味わいを求める人々や、安定した品質を提供したいカフェなどにとって非常に人気があります。一方で、シングルオリジンコーヒー(単一産地の豆のみを使用したコーヒー)とは異なり、ブレンドによって個々の豆の特性がやや薄れることもあるため、それぞれの好みが分かれるところです。

ブレンドコーヒーの魅力と特徴

ブレンドコーヒーの魅力と特徴は、多様な味わいや香り、そして飲みやすさなどにあります。下記に、その主な魅力と特徴を説明します。

1. バランスの取れた味わい

ブレンドコーヒーの最大の魅力は、異なるコーヒー豆を組み合わせることで、バランスの取れた味わいを生み出せる点です。酸味が強い豆、苦味が豊かな豆、甘みのある豆などを組み合わせることで、各豆の長所が調和し、単一の豆では得られない複雑で奥深い味わいを楽しめます。

2. 一貫性のある品質

ブレンドコーヒーは、異なるロットや季節による豆の品質の変動を最小限に抑えることができるため、一定の味わいを提供することが可能です。これにより、毎回同じ味のコーヒーを楽しむことができ、特にカフェやレストランでは安定した品質を提供するために重宝されます。

3. お店の個性を楽しめる

ブレンドコーヒーは、ロースタリーやカフェの個性やこだわりが反映される重要なメニューです。特定の味や香りを強調したり、季節に合う味わいを意図したブレンドなど、各お店が独自のブレンドを持つことで、それぞれ違いや個性をより楽しむことができます。

4. 選択肢が豊富さ

ブレンドコーヒーは、市場に非常に多くの種類が存在するため、自分の好みに合ったブレンドを見つける楽しみがあります。さらに、異なるロースターが独自のブレンドを提供しているため、新しい味わいを探求する楽しみもあります。

5. 複雑な風味の表現

ブレンドコーヒーでは、異なる豆の風味が重なり合い、単一の豆では表現できない複雑な風味を生み出すことができます。

6. 飲みやすさ

ブレンドコーヒーは、多くの場合、苦味や酸味のバランスが取れており、どんな方でも飲みやすいのが特徴です。

ブレンドコーヒーとストレートコーヒー、シングルオリジンとの違い

ブレンドコーヒーのように異なる種類のコーヒー豆をブレンドしていないコーヒーをストレートコーヒーやシングルオリジンコーヒーと呼びます。

ブレンドコーヒーは、異なる産地の豆を組み合わせて、バランスの取れた味わいや特定の風味を引き出すことを目的としていますが、ストレートコーヒーやシングルオリジンは単一の産地や品種の豆だけを使用し、その豆の固有の風味や香りを楽しむことができます。

ストレートやシングルは単一の種類のコーヒー豆を使用したコーヒーの事を指す言葉ですが、それぞれ少し意味合いが違います。

ストレートコーヒー

ストレートコーヒーは、一般的にブレンドされていない単一のコーヒー豆を使用したコーヒーを指す昔から使われている用語です。

基本的には同じ種類の豆を使って淹れられたコーヒーの事を指していますが、「ストレートコーヒー」と呼称される場合、必ずしも特定の農園や地域に限定されたものではなく、広範な地域や国の豆を指すこともあります。

シングルオリジン

シングルオリジンコーヒーは、特定の地域、農園、もしくは特定の生産者によって栽培されたコーヒー豆のみを使用したコーヒーを指します。

単に「ストレートコーヒー」と呼ばれる場合よりも、より厳密に区分されていると言えます。

シングルオリジンは、その地域の風土や生産方法が風味に大きく影響し、通常その豆が生産された特定の場所(農園やウォッシングステーション、地域など)がラベリングされています。その地域特有の味わいや個性をよりはっきり感じられます。

ブレンドコーヒーの歴史

ブレンドコーヒーの歴史は、コーヒーそのものの歴史と深く結びついています。コーヒーが世界中に広まる過程で、さまざまな地域で異なる品種の豆が栽培されるようになり、それらを混ぜ合わせることで新しい味わいを追求する文化が自然に発展していきました。

異なる産地の豆を組み合わせることで新しい味わいを創造するというアイデアは、時代とともに進化し、今日の多様で豊かなコーヒー文化を形作っています。

コーヒーの起源と初期の取引

コーヒーの起源はエチオピアにさかのぼりますが、15世紀にはイエメンのスーフィー(イスラム神秘主義者)たちが瞑想のためにコーヒーを飲んでいたとされています。その後、オスマン帝国を経てコーヒーは中東やヨーロッパへと広がり、17世紀にはヨーロッパの主要都市でカフェ文化が発展しました。

この頃のコーヒーは主に単一の地域で栽培された豆を使用していましたが、コーヒー豆が世界中で取引されるようになると、異なる地域の豆を混ぜ合わせるアイデアが生まれました。初期のブレンドは、商人たちが異なる産地の豆を混ぜることで、輸入豆の品質の変動を平準化しようとしたことから始まったと考えられています。

ヨーロッパでのブレンドの普及

17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパのカフェ文化が隆盛を迎える中で、ブレンドコーヒーが徐々に普及しました。特にロンドンやパリなどの都市では、コーヒーハウスが社交の場として定着し、そこではさまざまなブレンドが提供されていました。

この時期、コーヒー商人やカフェのオーナーたちは、消費者の好みに合わせた独自のブレンドを作り出すようになりました。

19世紀と20世紀初頭の発展

19世紀に入ると、コーヒーの生産地がさらに拡大し、ブラジル、コロンビア、ジャマイカ、インドネシアなどの新しい産地からコーヒー豆が輸入されるようになりました。これにより、ブレンドの可能性がさらに広がりました。

特に、19世紀末から20世紀初頭にかけて、コーヒーの大量生産と消費が進み、大手のコーヒー会社が登場。これらの企業は、安定した品質と味わいを提供するために、ブレンド技術を発展させ、マーケットの多様な需要に応えるようになりました。この時期、有名なブランドが次々と生まれました。

スペシャルティコーヒーの時代

20世紀後半から21世紀にかけて、スペシャルティコーヒーの概念が広まり、消費者の間でシングルオリジンコーヒーの人気が高まりました。しかし同時に、ブレンドコーヒーも再評価されるようになり、特に高度な技術を持つロースターたちが、より精緻でユニークなブレンドを作り出すようになりました。

これまでのブレンドは安価で飲みやすいコーヒーというイメージでしたが、これにより、ブレンドコーヒーは新たな魅力を持ち、コーヒー愛好者の間で再び人気を博すようになりました。

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