中米の国々は、素晴らしいコーヒー豆の生産地として知られていますが、その中でもホンジュラスは近年、注目を集める産地の一つです。今回は、ホンジュラスのコーヒーについて、その特徴やおすすめの豆、産地について詳しくご紹介します。ホンジュラスコーヒーの魅力を知り、次のコーヒー選びの参考にしてくださいね！
ホンジュラスはどんな国？
ホンジュラスは、中央アメリカに位置する国で、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。豊かな自然と山岳地帯が広がり、農業が主要産業の一つです。気候は熱帯性で、年間を通じて温暖な気候が続き、特に高地はコーヒー栽培に適した環境が整っています。
人口は約1000万人で、多くの人々が農業に従事しています。ホンジュラスは、多様な文化と歴史を持つ国で、コーヒー生産はその経済を支える重要な産業の一つとなっています。また、ホンジュラスは、地理的に他の中米諸国と接しており、コーヒー栽培の技術や文化が長い歴史の中で共有されてきました。
コーヒーの産地としてのホンジュラス
ホンジュラスは、コーヒーの主要生産国の一つであり、その生産量は中米地域の中でもトップクラスです。標高の高い地域が多く、温暖な気候と豊富な雨量がコーヒー栽培に適しています。主な産地は、西部のコパン、サンタバルバラ、レパス、そして中部のコマヤグアやパラソなど、多くの地域で高品質なコーヒーが栽培されています。
ホンジュラスのコーヒー産地は、標高が1000メートル以上の高地が多く、これが豊かな酸味とフルーティーな風味を持つコーヒーを生み出す要因となっています。また、火山性の肥沃な土壌もコーヒーの品質を向上させる大きな要素です。産地ごとに異なる風味を楽しめるのもホンジュラスコーヒーの魅力です。
ホンジュラスにおけるコーヒーの歴史
ホンジュラスでのコーヒー栽培の歴史は古く、19世紀にはコーヒーの生産が始まったとされています。当初は国内消費が主でしたが、1970年にホンジュラス・コーヒー協会（IHCAFE）が設立され、高品質なコーヒー豆の生産が推奨され、輸出が拡大し、国際的なコーヒー市場での存在感を高めました。特に近年では、スペシャルティコーヒーの生産が増加し、品質の高いコーヒー豆が世界中のバリスタやコーヒー愛好家から注目されています。
しかし、ホンジュラスのコーヒー産業は、気候変動や病害などの課題にも直面しています。コーヒー葉の錆（さび）病（ラ・ロヤ）などの病害が広がり、生産量の減少や品質の低下に苦しんだ時期もありました。それでも、ホンジュラスのコーヒー生産者たちは、技術革新や栽培方法の改善を通じて、品質の向上と持続可能な生産を目指しています。
ホンジュラスのコーヒー豆の生産量
ホンジュラスは、世界第6位のコーヒー生産国であり、中米ではトップの生産量を誇ります。年間約600万袋（60kg）のコーヒー豆が生産され、そのほとんどが輸出されています。主な輸出先はアメリカ、ドイツ、日本などで、高品質なホンジュラスコーヒーは、これらの市場で高い評価を受けています。
ホンジュラスのコーヒー豆は、その品質の高さと安定した供給量から、世界中の焙煎業者やバリスタたちに愛されています。近年では、農園ごとの特性を活かしたシングルオリジンコーヒーの需要が増え、ホンジュラスの多様な風味が広く知られるようになりました。
ホンジュラスのコーヒーの特徴
ホンジュラスのコーヒーの特徴は、クセが少なく、バランスが良くて、柔らかで非常に飲みやすいところにあります。と言うと個性がないように思うかもしれませんが、その中にも明るい酸味と甘みフルーティーな風味を感じられます。
焙煎度合いによっても風味が変わり、浅煎りではフローラルな香りとフルーツの酸味が際立ち、深煎りではチョコレートやナッツのような濃厚なコクが感じられ、より重厚な甘味と苦味が楽しめます。
ホンジュラスのコーヒーは、バランスの取れた味わいと、産地による多様で複雑な風味が特徴で、多くのコーヒー愛好家に支持されています。特にスペシャルティコーヒーの市場では、その上品ながら表情豊かな風味が高く評価されており、焙煎度や抽出方法によって様々な楽しみ方ができるのも魅力です。
ホンジュラスのコーヒー農園
ホンジュラスには、多くの小規模なコーヒー農園が点在しており、家族経営で運営されていることが多いです。農園ごとに異なる栽培方法や処理プロセスが用いられており、それぞれの農園が個性的な風味を持つコーヒー豆を生産しています。
代表的な農園としては、サンタバルバラ山地に位置する農園や、コパン地方の小規模農園が挙げられます。これらの農園では、シェードグロウンと呼ばれる日陰栽培が行われており、コーヒーの木を直射日光から守ることで、ゆっくりと豆が成熟し、複雑な風味を持つコーヒー豆が育ちます。
また、ホンジュラスで最初にコーヒー栽培が開始された場所と言われる、中世部に位置するコマヤグア県セルグァパ地区の小規模生産者も良質なコーヒーを生産することで注目されています。
ホンジュラスコーヒーの等級
ホンジュラスのコーヒー豆には、標高や品質に応じた等級があります。等級は主に豆の大きさ、欠点数、そして標高で評価されます。ホンジュラスのコーヒー等級は以下のように分類されます。
- Strictly High Grown (SHG): 標高1200m以上で栽培されたコーヒー。フルーティーで酸味が強く、複雑な風味が特徴。
- High Grown (HG): 標高1000〜1200mで栽培されたコーヒー。酸味と甘味のバランスが良く、芳醇な風味を持つ。
- Central Standard (CS): 標高800〜1000mで栽培されたコーヒー。酸味が少なく、コクのある味わい。
SHGが最も高品質とされ、特にスペシャルティコーヒーとして評価されることが多いです。
ホンジュラスにおけるコーヒーの問題
ホンジュラスのコーヒー産業は、いくつかの問題にも直面しています。気候変動による異常気象やコーヒー葉の錆（さび）病などの病害が深刻で、生産者は常にこれらのリスクに対応しなければなりません。2012年と2013年に国家非常事態が宣言されるほどのさび病が深刻な問題となった程です。
特に小規模農家にとっては、技術や資金の不足が大きな障害となっています。
さらに、市場価格の変動やフェアトレードの問題も抱えており、安定した収入を得るためには、品質向上やブランド化が求められています。ホンジュラス政府や国際機関も、技術支援や持続可能な農業の推進を行い、生産者の支援に取り組んでいます。
通販で買えるおすすめのホンジュラスコーヒー
ホンジュラスコーヒーを自宅で楽しみたい方に、通販で購入できるおすすめのホンジュラスコーヒーをご紹介します。各農園や焙煎所の個性が光る、素晴らしいコーヒー豆をぜひ試してみてください。
堀口珈琲ホンジュラス 「エル・カンポ」 ハイロースト
堀口珈琲の「エル・カンポ」は、ホンジュラスのエル・カンポ農園から届いたハイローストのコーヒー豆です。明るい酸味と甘みが調和した味わいで、柔らかく軽やかな飲み心地が特徴。朝の一杯にぴったりの爽やかなコーヒーです。
ONIBUS COFFEE ホンジュラス / フェリシアーノ サビジョン
ONIBUS COFFEEの「ホンジュラス / フェリシアーノ サビジョン」は、スムーズでバランスの良いコーヒー。甘味と酸味のバランスが絶妙で、ナッツやチョコレートのような後味が楽しめます。コーヒー初心者から通の方まで幅広く楽しめる一杯です。
常盤珈琲 ホンジュラス／ミラ・フローレス農園 パカス アナエロ HN 100g
常盤珈琲の「ホンジュラス／ミラ・フローレス農園 パカス アナエロ」は、アナエロビックプロセス（嫌気性発酵）を施した特別なコーヒー豆。フルーティーな酸味とトロピカルな香りが特徴で、独特な風味が楽しめます。
ホンジュラス エル・ダント ナチュラル 浅煎り
POST COFFEEの「ホンジュラス エル・ダント ナチュラル」は、浅煎りで仕上げたフルーティーなコーヒー。軽やかなボディとベリーのような酸味が口の中に広がり、爽やかな飲み心地が楽しめます。浅煎り好きな方には特におすすめです。
まとめ
ホンジュラスのコーヒーは、その多様な風味と高品質で世界中のコーヒー愛好家に愛されています。豊かな自然と気候が育むコーヒー豆は、フルーティーで酸味のある味わいが特徴です。農園ごとの個性を楽しむために、シングルオリジンのコーヒーを試してみるのもおすすめです。ぜひ、ホンジュラスコーヒーを自宅で味わって、その魅力を存分に楽しんでくださいね！
参考文献:
- Perfect Daily Grind. “Honduras Coffee: A Guide to the Regions, Flavors, and Farms.” Accessed August 28, 2024. https://www.perfectdailygrind.com/honduras-coffee-guide
- Coffee Geek. “Exploring the Coffee of Honduras.” Accessed August 28, 2024. https://www.coffeegeek.com/exploring-coffee-honduras
- Home Grounds. “Best Honduran Coffee Beans to Try.” Accessed August 28, 2024. https://www.homegrounds.co/best-honduran-coffee
ホンジュラスコーヒーで、あなたの日常に新たな風味を取り入れてみてください！
