エチオピアコーヒーは、その華やかな香りとフルーティーな風味で世界中のコーヒー愛好家に愛されています。本記事では、エチオピアのコーヒーのその独特の風味についてや、おすすめの豆、産地についてご紹介します。
コーヒーの産地エチオピア
エチオピアは、アフリカの角に位置する国で、コーヒー栽培に最適な環境を持っています。エチオピアの高地は、標高1,500メートル以上の場所が多く、コーヒー栽培に理想的な気候と土壌を提供しています。適度な降雨と豊かな火山土壌が、コーヒーの成長に必要な栄養素を供給し、独特の風味を生み出します。
コーヒー発祥の地エチオピア
エチオピアは、コーヒーの発祥地として知られています。伝説によれば、9世紀にエチオピアの羊飼いカルディが、彼の羊がある赤い実を食べた後に活発になったことに気付き、この実がコーヒーの木の実であったと言われています。これがコーヒーの発見の始まりとされています。
エチオピアコーヒーの歴史
エチオピアコーヒーの歴史は非常に古く、伝統的に自家で飲むために栽培されてきました。16世紀にはエチオピアからアラビア半島にコーヒーが伝わり、その後世界中に広がりました。エチオピアでのコーヒー文化は深く根付いており、コーヒーセレモニーと呼ばれる伝統的な儀式が現在も行われています。
エチオピア・モカとは?
昔からコーヒー豆の代表的なものとして使われる「モカ」ですが、これはイエメンの港湾都市モカを経由して輸出されたエチオピアとイエメンのコーヒー豆のことを指しています。
モカ港は、かつてコーヒー貿易の中心地であり、ここから世界中にエチオピアとイエメンのコーヒーが広がりました。そのため、モカ港から出荷されたコーヒー豆を「モカ」と呼称するようになったのです。
中でもエチオピア産の豆は「エチオピア・モカ」「モカ・ハラー」、イエメン産の豆は「モカ・マタリ」などと呼ばれています。
現在スペシャルティコーヒーを扱うお店ではそういった呼称はあまり使われず、「エチオピア イルガチェフェ」など地区やステーション単位で扱うことがほとんどです。
エチオピアコーヒーの特徴
エチオピアコーヒーは、豊かな果実味と華やかな香りが特徴です。これらの特徴は、エチオピアの地域や品種によって異なりますが、全体的には非常にフレッシュで風味豊かなコーヒーが楽しめます。
エチオピアコーヒーの酸味
エチオピアコーヒーの酸味は、明るくフルーティーで、多くの場合ベリーや柑橘系のフルーツを思わせる風味があります。この酸味は、標高の高い地域で栽培されたコーヒー豆に特に顕著です。エチオピアの高地の気候と土壌が、コーヒー豆に独特の酸味を与えています。
エチオピアコーヒーのグレード
エチオピアコーヒーのグレードは、豆の大きさと欠点の数によって決まります。最も高いグレードは「G1」で、次に「G2」、「G3」などが続きます。
高品質なエチオピアコーヒーは、その独特の風味と香りが評価され、世界中のバリスタやコーヒー愛好家から高い評価を受けています。
エチオピアの主なコーヒー栽培地域
イルガチェフェ
イルガチェフェは、エチオピア南部のシダモ地域に位置し、その華やかなフローラルな香りと明るい酸味で知られています。特に、イルガチェフェのウォルカやウォテといった小規模な地域は、非常に高品質なコーヒーを生産しています。イルガチェフェのコーヒーは、ジャスミンやベルガモットのような香りが特徴で、非常にフルーティーです。
イルガチェフェの農家は、小規模な家族経営が多く、手摘みで収穫されたコーヒー豆は、ウォッシングステーションで丁寧に処理されます。これにより、イルガチェフェのコーヒーはその繊細な風味を保ち、高品質なコーヒーとして世界中で評価されています。
グジ
グジ地域は、シダモの南東に位置し、エチオピアの新しいコーヒー栽培地として注目されています。グジのコーヒーは、フルーティーで明るい酸味と滑らかな口当たりが特徴です。グジのコーヒーは、その独特な風味で急速に人気を集めており、多くのコーヒー専門家から高く評価されています。
グジ地域は、標高の高い山岳地帯にあり、昼夜の温度差が大きいため、コーヒー豆がゆっくりと成熟し、複雑な風味を持つようになります。また、グジの農家は、伝統的な栽培方法と最新の技術を組み合わせて、高品質なコーヒーを生産しています。
ハラー(ハラール)
ハラー(ハラール)は、エチオピア東部に位置し、エチオピアの伝統的なコーヒー栽培地の一つです。ハラーのコーヒーは、ワイルドでエキゾチックなフレーバーが特徴で、フルボディで濃厚な味わいがあります。特に、チョコレートやスパイスのような風味が楽しめます。
ハラー地域のコーヒーは、主にナチュラルプロセスで処理されており、乾燥させた果肉が豆に独特の甘みと深い風味を与えます。ハラーの農家は、何世代にもわたって伝統的な方法でコーヒーを栽培しており、その豊かな歴史と文化がコーヒーの味わいに反映されています。
エチオピアコーヒーの農家・農園、トレーサビリティについて
エチオピアのコーヒー農家は、伝統的な栽培方法を守りながらも、品質向上のための新しい技術を取り入れています。多くの農家が小規模な家族経営であり、手摘みで収穫されたコーヒー豆は、細心の注意を払って処理されます。
ウォッシングステーション
エチオピアのコーヒー生産において重要な役割を果たしているのがウォッシングステーションです。ウォッシングステーションは、コーヒーチェリーを処理する施設で、農家から集められたコーヒーチェリーはここで果肉を取り除かれ、発酵・洗浄されます。これにより、豆の品質が均一に保たれ、高品質なコーヒーが生産されます。
ウォッシングステーションでは、さまざまな処理方法が採用されており、ウォッシュドプロセスやナチュラルプロセスなどが一般的です。ウォッシュドプロセスでは、果肉を取り除いた後、豆を水で洗浄し、発酵させることでクリーンな風味が引き出されます。一方、ナチュラルプロセスでは、コーヒーチェリーをそのまま乾燥させることで、フルーティーで甘みのある風味が引き出されます。
エチオピアコーヒーのトレーサビリティは、近年ますます重要視されています。消費者は、コーヒーの生産地や農家の情報を知ることができるようになり、これが品質の保証とともに、農家の生活向上にも繋がっています。多くのエチオピアコーヒーは、フェアトレードやオーガニック認証を取得しており、持続可能な農業を推進しています。
通販で買えるおすすめのエチオピアコーヒー
ONIBUS COFFEE エチオピア ワルカ・サカロ
このコーヒーは、イルガチェフェ地域のワルカ・サカロで栽培された豆を使用しており、フローラルな香りと明るい酸味が特徴です。特に、紅茶のような風味とベルガモットの香りが楽しめます。ONIBUS COFFEEは、浅煎りの焙煎がメインですが、その焙煎技術で豆の持つ風味を最大限に引き出しており、浅煎り好きでなくても是非一度試してみていただきたい豆です。
![](https://pure-coffee-bliss.com/wp-content/uploads/2024/08/beans_onibua_ethi-300x169.jpg)
堀口珈琲 エチオピア イルガチェフェ ウォテ ナチュラル
エチオピアの名産地イルガチェフェのこのコーヒーは、華やかなフローラルな香りと、ナチュラル精製によるジューシーな赤い果実を思わせるフルーティーな風味が特徴です。
HORIGUCHIの焙煎技術により、イルガチェフェ特有の繊細な風味が引き出されています。シティローストの他にフレンチローストも選べます。
![](https://pure-coffee-bliss.com/wp-content/uploads/2024/08/beans_horiguchi_ethi-300x169.jpg)
常盤コーヒー エチオピア グジ ナチュラル
このコーヒーは、グジ地域のナチュラルプロセスで処理された豆を使用しており、ワイルドでフルーティーな風味が特徴です。常盤コーヒーの焙煎によって、豆の持つ自然な甘みと複雑なフレーバーが最大限に引き出されています。特に、朝の一杯にぴったりな爽やかな味わいです。
![](https://pure-coffee-bliss.com/wp-content/uploads/2024/08/beans_tokiwa-300x169.jpg)
LIGHT UP COFFEE ARICHA MAGARISSA – ETHIOPIA
イルガチェフェ近郊のアリチャウォッシングステーションで精製されたコーヒー豆です。浅煎りにこだわるLIGHT UP COFFEEの焙煎技術により、クリーンで透き通った果実感、紅茶のような爽やかな余韻が楽しめるコーヒーに仕上がっています。
![](https://pure-coffee-bliss.com/wp-content/uploads/2024/08/beans_lightup_ethi-300x169.jpg)
エチオピアコーヒーの魅力は、その華やかな香りと果実感にあります。ステーション毎の特徴だけでなく、浅煎りから深煎り、ナチュラルとウォッシュトなど幅広く楽しめるエチオピアコーヒーを是非一度試してみてください。