ブラジルは、世界最大のコーヒー生産国として知られ、その豊かな風味と多様な種類でコーヒー愛好家を魅了しています。本記事では、ブラジルのコーヒーの特徴や主な産地、おすすめの豆について詳しくご紹介します。
コーヒーの産地ブラジルについて
国の特徴、環境、コーヒーの栽培や農地について
ブラジルは南米大陸の広大な国であり、多様な気候と地理的条件が揃っています。特に、コーヒー栽培に適した地域は、南東部に集中しています。ミナスジェライス州、サンパウロ州、パラナ州、バイーア州などが主要なコーヒー生産地域です。これらの地域は、標高1,000mから1,200mの範囲にあり、温暖な気候と豊富な降雨量が、コーヒーの成長に理想的な条件を提供しています。
ブラジルのコーヒー生産量は世界一であり、年間約30%の世界市場を占めています。広大な農地と進んだ農業技術により、ブラジルは安定した高品質のコーヒーの供給を続けています。
ブラジルコーヒーの歴史
ブラジルにおけるコーヒー栽培は18世紀後半に始まりました。当初、コーヒーは小規模な農家によって栽培されていましたが、19世紀に入るとコーヒー産業が急速に発展し、主要な輸出品となりました。20世紀初頭には、ブラジルは世界最大のコーヒー生産国となり、その地位は現在も続いています。
ブラジルのコーヒー産業は、多くの変革と挑戦を経てきました。特に20世紀後半には、コーヒー市場の価格変動や気候変動などの影響を受けましたが、持続可能な農業技術の導入と品質管理の徹底により、ブラジルコーヒーの品質は一貫して高い水準を保っています。
ブラジルコーヒーの特徴
ブラジルコーヒーは、伝統的に天日干しを行う「ナチュラル」という製法を採用してきました。これは、収穫されたコーヒーチェリーをそのまま乾燥させる方法で、豆に独特の甘みとフルーティーな風味を与えます。近年では、品質向上を目的としてパルプドナチュラル製法や、一部農園ではウォッシュト精製も採用されています。
ブラジルで栽培されるコーヒーの主な品種・銘柄
ブラジルでは、主にアラビカ種のコーヒーが栽培されており、全体の約70〜80%を占めます。代表的な品種には、ブルボン、カトゥアイ、ムンド・ノーボなどがあります。これらの品種は、それぞれ異なる風味特性を持ち、多様な味わいを楽しむことができます。残りの約20〜30%は「コロニン」と呼ばれるロブスタ種です。
- ブルボン: 豊かな甘みと滑らかなボディが特徴で、ナッツやチョコレートのような風味が感じられます。
- カトゥアイ: 病害に強く、酸味が控えめで、チョコレートやナッツの風味が特徴です。
- ムンド・ノーボ: 高収量で病害に強く、バランスの取れた風味と豊かなボディを持ちます。
- コロニン（ロブスタ種）: カフェイン含有量が高く、強い苦味と重いボディが特徴です。
ブラジルコーヒーの等級について
ブラジルコーヒーは、300gの豆に含まれている欠点豆の数、スクリーンサイズ、カッピングによる味によって等級が分けられます。最も高い等級は「No. 2」で、欠点豆が最も少なく、スクリーンサイズが大きい豆を指します。その他、「No. 3」から「No. 8」までの等級があります。
- No. 2: 欠点豆が少なく、スクリーンサイズが17/18以上の大粒豆。
- No. 3: 欠点豆が少なく、スクリーンサイズが16/17の豆。
- No. 4: 欠点豆が少なく、スクリーンサイズが15/16の豆。
- No. 5〜No. 8: 欠点豆が多く、スクリーンサイズが小さくなるにつれて等級が下がる。
味わい・酸味
ブラジルコーヒーの味わいは、酸味が少なく、程よい苦味とナッツやチョコレートのような甘みが特徴です。ナチュラル製法による甘みとフルーティーな風味があり、深煎りでは濃厚なコクとチョコレートのようなリッチな味わいが引き立ちます。これらの特徴により、ブラジルコーヒーはエスプレッソやブレンドコーヒーにも最適です。
ブラジルの主なコーヒー栽培地域
ブラジルには多くのコーヒー栽培地域がありますが、特に南東部のミナスジェライス州、サンパウロ州、パラナ州、バイーア州が主要な生産地として知られています。これらの地域は標高1,000mから1,200mの範囲にあり、コーヒーの成長に最適な環境を提供しています。
ミナスジェライス州
ミナスジェライス州は、ブラジル最大のコーヒー生産地であり、カルモ・デ・ミナスやセラードなどの有名な産地があります。この地域は、標高1,000m以上の高地に広がり、適度な降雨量と温暖な気候が、コーヒーの栽培に理想的な条件を提供しています。ミナスジェライスのコーヒーは、ナッツやチョコレートのような甘みと滑らかな口当たりが特徴です。
サンパウロ州
サンパウロ州は、ブラジルの主要なコーヒー生産地の一つであり、モジアナやアルタ・モジアナなどの有名な産地があります。この地域のコーヒーは、豊かなボディとバランスの取れた酸味が特徴で、特にエスプレッソやブレンドコーヒーに最適です。
パラナ州
パラナ州は、ブラジル南部に位置し、豊かな農業地帯として知られています。パラナのコーヒーは、程よい苦味とナッツやチョコレートの風味が特徴で、深煎りにするとリッチなコクが引き立ちます。この地域のコーヒーは、主にロブスタ種が栽培されています。
バイーア州
バイーア州は、ブラジル北東部に位置し、シャパダ・ディアマンティーナなどの有名な産地があります。この地域は、標高が高く、冷涼な気候がコーヒーの栽培に適しています。バイーアのコーヒーは、明るい酸味とフルーティーな風味が特徴で、特にスペシャルティコーヒーとして高く評価されています。
通販で買えるおすすめのブラジルコーヒー
丸山珈琲 ペレイラ・シスターズ イエローブルボン ナチュラル 中煎り
このコーヒーは、ミナスジェライス州カルモ・デ・ミナスのイルマス・ペレイラ農園で生産されたイエローブルボン種の豆を使用しています。ナチュラル製法で処理されており、明るい酸味とフルーティーな風味が特徴です。中煎り焙煎によって、豆の持つ自然な甘みと滑らかな口当たりが引き出されています。
堀口珈琲 ブラジル 「セルカ・デ・ぺドラ・サン・ベネディート パルプトナチュラル」 フルシティロースト
このコーヒーは、バイーア州シャパダ・ディアマンティーナのセルカ・デ・ペドラ・サン・ベネディート農園で生産されたカトゥアイ種の豆を使用しており、パルプトナチュラル製法で処理されています。フルシティローストによって、濃厚なコクとチョコレートのような甘みが引き立ちます。
土居珈琲 ブラジル ダテーラ農園
このコーヒーは、ミナスジェライス州パトロシーニョのダテーラ農園で生産された豆を使用しています。ダテーラ農園は、持続可能な農業を実践しており、高品質なコーヒーを生産しています。明るい酸味とフルーティーな風味が特徴で、バランスの取れた味わいが楽しめます。
ROKUMEI COFFEE ブラジル ベラビスタ農園 パルプドナチュラル
このコーヒーは、南ミナスのネポヌセーノにあるベラビスタ農園で生産されたブルボンアマレロ種の豆を使用しており、パルプドナチュラル製法で処理されています。明るい酸味とフルーティーな風味が特徴で、特にベリーやシトラスの香りが楽しめます。
ブラジルコーヒーの魅力は、バランスの取れた飲みやすさが特徴です。酸味が際立つような特徴は少ないので酸味が苦手な方にもおすすめです。コーヒー豆の本来の甘みと滑らかな質感を是非試してみてください。
