コーヒーの美味しい淹れ方は?ハンドドリップのレシピ比較

コーヒーの美味しい淹れ方

コーヒーはその淹れ方次第で味が大きく変わります。

特にハンドドリップは、美味しいコーヒーを淹れる方法として多くの人に親しまれていますが、反面、淹れ方で味が変わりやすく初心者には敷居が高いのではないでしょうか?

本記事では、ハンドドリップでコーヒーを淹れる際のポイントと、有名ロースタリーやバリスタ、コーヒーメーカーのレシピを比較してみましょう。

ハンドドリップでコーヒーを淹れる時のポイント

コーヒー豆の挽き目

コーヒー豆の挽き目は抽出時間や味に大きく影響します。中細挽きが一般的で、挽き目が細かすぎると苦味が強くなり、粗挽きにすると酸味が強くなります。

使用するコーヒー豆の量

一般的には、1杯あたり約10〜20グラムのコーヒー豆を使用します。豆の量が多いほど濃いコーヒーになりますが、自分の好みに合わせて適切なバランスを見つけることが大切です。

コーヒーの抽出量/使用する湯量

1杯あたり使用する湯量は使用するコーヒー豆の量によって変わります。

レシピによって幅がありますが、近年の傾向では豆の量1に対して湯量15〜16という比率で淹れるケースが多いようです。

湯量を増減することで味の濃さを調整できます。

お湯の温度

お湯の温度もコーヒーの味に影響します。一般的には90〜95℃が適温と言われていますが、焙煎度によって変えることもあります。一般的に温度が高すぎると苦味が強くなります。

コーヒーの抽出にかける時間

抽出時間は2〜4分が目安です。抽出時間が長すぎるとコーヒーの成分が強く抽出されるため苦味が強くなります。短すぎると酸味が強くなると言われますが。抽出時間を適切に管理することでバランスの良い味わいが楽しめます。

コーヒー豆の焙煎度合い

焙煎度合いも味に影響します。浅煎りは酸味が強く、フルーティーな味わい。中煎りは酸味と苦味のバランスが良く、深煎りは苦味が強くコクのある味わいになります。

有名ロースタリーやバリスタ、コーヒーメーカーのレシピ比較

名前コーヒー粉量湯量/抽出量時間お湯の温度
Key Coffee10g120(抽出量)2分30秒~3分間指定無し
UCC10〜12g160(湯量)指定無し(3回に分けて)92~96℃
堀口珈琲15g180(抽出量)1分半~2分約93~95℃
丸山珈琲12g180(湯量)指定無し(約50gずつ3回)沸騰したお湯をそのまま
PHILOCOFFEA20g300(湯量)指定無し(5回に分けて)83~93℃(焙煎による)
Light up Coffee15g240(湯量)3分以内沸騰したお湯をそのまま
井崎英典氏18g300(湯量)約3~4分92℃(焙煎による)

キーコーヒー

キーコーヒーは、長年にわたり日本のコーヒー文化を支えてきたメーカーです。コマーシャルコーヒーを中心にしつつ高品質な豆を使い、手軽なコーヒーバッグなども有名です。

手順

  1. ドリッパーとサーバーにお湯を通して器具を温める
  2. 粉全体にお湯が浸み込む程度の量のお湯を中央から外側に向かって注ぎ、20秒程待つ。(蒸らし時間20秒)
  3. 2回目はたっぷりと注ぐ。湯量が上がって表面が平らになるまで。
  4. 中央がくぼんできて表面の泡の層が崩れないうちに3回目を注ぐ。
  5. 湯量を減らしながら注ぎ分け2分30秒〜3分間で120ccを抽出する。

ポイント

  • 10gのコーヒー豆を使用
  • 120(抽出量)
  • お湯の温度は指定無し(熱湯)
  • 抽出時間は2分30秒〜3分間

UCC

UCCは、日本で広く知られている総合コーヒーメーカーです。インスタントコーヒーからレギュラーコーヒー、缶コーヒー、様々なコーヒー器具などを取り扱っています。

手順

  1. 約20ccのお湯を注ぎ20秒ほど待つ(蒸らし時間20秒)
  2. 80cc→40cc→20ccを目安に3回に分けて注ぐ(お湯が落ちきってしまう前に、次のお湯を注ぐ)

ポイント

  • 10〜12gのコーヒー豆を使用
  • 湯量160cc、抽出量約140cc
  • 92~96℃のお湯
  • 抽出時間の指定無し(3回に分けて注ぐ)
  • フィルターにお湯を直接かけない

堀口珈琲

堀口珈琲は、スペシャルティコーヒーの専門店として高品質な豆と焙煎技術が評価されています。ハイローストからイタリアンローストまで焙煎の幅がありますが、比較的深めの焙煎の豆が多い印象です。華やかな風味だけでなくしっかりとした質感が特徴です。

ハイローストの豆の場合のレシピ

手順

  1. サーバーとカップをあたためる
  2. 粉の中心に少量のお湯をゆっくり優しく注ぐ
  3. 少し外側に注ぎ、全体にお湯を置くように注ぐ
  4. サーバーにコーヒーの抽出液が落ちる(ここまで約30秒)
  5. 注ぐ量を少しずつ増やす
  6. 抽出量になったらドリッパーを外す

ポイント

  • 15gのコーヒー豆を使用
  • 180ml(抽出量)
  • 約93~95℃のお湯を使用
  • 抽出時間は約2分
  • 焙煎度によって豆の量、抽出量は変える
  • 飲みごたえ→少し時間を掛ける。軽やか→少し短時間
  • 膨らんだ粉の層にお湯を通すイメージで優しく丁寧に注ぐ
  • フィルター(ドリッパー)に直接お湯はかけない

丸山珈琲

丸山珈琲は、スペシャルティコーヒーロースタリーとして有名です。浅煎りから深煎りまで幅広く取り扱っており、バランスの良い風味が楽しめます。

手順

  1. フィルターを湯通しする(器具も温める)
  2. 軽く揺すって豆の表面を平坦にならす
  3. 最初にお湯を約30g入れて1分待つ(蒸らし1分)
  4. ドリッパーを揺する
  5. 約50gずつ3回に分けてお湯を注ぐ(注ぐタイミングは、注いだお湯が落ちきったら)
  6. 全部のお湯が落ちきったらドリッパーを外す

ポイント

  • 12gのコーヒー豆を使用
  • 沸騰したお湯をそのまま使用
  • 180gの湯量を使用
  • 抽出時間は指定無し(お湯を約50gずつ3回に分けて)
  • お湯が落ち切るまで

PHILOCOFFEA

PHILOCOFFEAは、粕谷哲氏が監修するロースタリーで、独自のブレンドと抽出方法が特徴です。

この独自の4:6メソッドという抽出方法を提唱しており、誰でも美味しいコーヒーが淹れられるように湯量を数値化したわかりやすいものになっています。

ここではベーシックなものをご紹介しますが、とてもシンプルです。

細かい味の調整は是非公式サイトをご参照ください。

手順

  1. 60g注ぐ
  2. 落ち切ったら60g注ぐ
  3. 落ち切ったら60g注ぐ
  4. 5回目が落ち切ったらドリッパーを外す。

ポイント

  • 20gのコーヒー豆を使用
  • 湯量300g
  • お湯の温度83~93℃(浅煎り:93℃前後、中煎り:88℃前後、深煎り:83℃前後)
  • 豆20gでお湯300gの場合約3分半
  • 独自の4:6メソッド(使うお湯の総湯量を40%と60%にわけて、それぞれで味と濃度の調整をする)

Light Up Coffee

Light Up Coffeeは、新しいコーヒー文化を提案するショップで、浅煎りの豆を扱っています。フルーティーな味わいが魅力です。

抽出手順をわかりやすくnoteに記載されているのでそちらをチェック。

手順

  1. フィルターを湯通しする(器具も温める)
  2. 粉をフィルターにセットして平らにならす
  3. 約35g程度のお湯を全体に注ぐ(蒸らし約30秒)
  4. ドリッパーを揺らして攪拌する
  5. 残りのお湯を1分半〜2分かけて注ぐ
  6. お湯が落ち切ったらドリッパーを外す

ポイント

  • 15gのコーヒー豆を使用
  • 湯量240g
  • 沸騰したお湯をそのまま
  • 抽出時間約3分以内
  • 浅煎りのコーヒーは細かい挽き目がおすすめ
  • ドリッパーを揺らして攪拌

バリスタ世界チャンピオン井崎英典氏

井崎英典氏は、2014年のワールドバリスタチャンピオンで、その抽出技術は世界的に評価されています。

手順

  1. フィルターを湯通しする(器具も温める)
  2. 粉をフィルターにセットして平らにならす
  3. 1投目60gを全体に満遍なく注ぐ(蒸らし約1分)
  4. ドリッパーを揺らして攪拌する
  5. 2投目60gを注ぐ(約10秒で注ぎ切る)
  6. 3投目180gを注ぐ
  7. ドリッパーを揺らして攪拌する
  8. お湯が落ち切ったらドリッパーを外す(約3~4分で落ち切るように)

ポイント

  • 18gのコーヒー豆に対して湯量300g
  • 93℃前後のお湯を使用(浅煎りは「2~3℃高め」深煎りは「2~4℃低め」)
  • 抽出時間は約3分〜4分
  • コーヒー豆と湯量の抽出比率1:16が大事
  • お湯の重さ100gに対して豆の重さ6~8g
  • お湯を注ぐ量と回数は20%+20%+60%の3回

どの抽出方法がおすすめ?

それぞれ特徴がありますが、基本的にはご自身で試してみて好みにあったものを選んで見てください。

ざっくりですが、キーコーヒー、UCCは昔ながらのスタンダードな淹れ方かと思います。

丸山珈琲やLight Up Coffee、井崎氏、PHILOCOFFEAはそれぞれ細かい違いはありますが、コーヒー豆と湯量の比率や蒸らし時間、落とし切るところなど、似ている部分が多い傾向にあります。

堀口珈琲はいわゆる「蒸らし」ではなく、最初の一滴が落ちるまでの時間に30秒かける、という視点が特徴的です。

ぶれなくバランス良く淹れるなら井崎氏、PHILOCOFFEA

井崎英典氏、PHILOCOFFEAのレシピは、お湯の温度、豆と湯量の比率、お湯を注ぐ回数と重さをしっかり指定しており、お湯が落ち切るまで抽出するので、誰にでも淹れやすく味のブレも起こりにくいと感じました。

味についてもバランスの取れた味わいを実現しています。酸味と苦味のバランスが良く、どなたでも美味しく楽しめるコーヒーが淹れられます。

しっかりとした質感を味わいたいなら堀口珈琲

堀口珈琲の抽出方法は蒸らしという概念がなく最初のドリップが落ちるまで30秒ほどかけるというもの。

抽出にかける時間は2分程度で他と比較して決して長いわけではありませんが、しっかりコクのある味わいが特徴です。

さらっとした味わいというよりはコーヒーの舌触りや質感を楽しめる抽出方法だと思います。

ハンドドリップ以外のコーヒーの淹れ方

フレンチプレス

フレンチプレスは、コーヒーの風味をしっかりと引き出す抽出方法です。豆のオイルも抽出され、コクがあり、豊かな味わいが楽しめます。

エアロプレス

エアロプレスは、簡単で短時間で抽出できる方法です。圧力をかけて抽出するため、クリアでスッキリとした味わいが特徴です。

エスプレッソ

エスプレッソは、高圧で抽出することで濃厚な味わいが楽しめます。カフェラテやカプチーノのベースとしても使われ、幅広いアレンジが可能です。

ネルドリップ

ネルドリップは布フィルターを使用し、まろやかな味わいを楽しめます。手間がかかりますが、その分独特の風味が楽しめます。

まとめ

ハンドドリップによるコーヒーの淹れ方についてご紹介しました。

いろいろな手法があり、どれが正解なの?!と混乱するかもしれませんが、スペシャルティコーヒーなど品質の良いコーヒー豆であれば、どんな淹れ方でも大体美味しいので気楽に試してみるのをおすすめします。

その中でご自身に一番合った好みの抽出方法を見つけましょう。

どの方法でも、しっかりとした手順と愛情を込めて淹れることで、美味しいコーヒーを楽しめます。

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