中米の国々はコーヒー生産地として世界的に有名ですが、エルサルバドルもその一つです。エルサルバドルは、小さな国ながらも個性豊かなコーヒーを生産しており、スペシャルティコーヒーの世界では高い評価を受けています。今回は、エルサルバドルのコーヒーの特徴やおすすめの豆、産地について詳しくご紹介します。エルサルバドルコーヒーの魅力を知り、ぜひ次の一杯に選んでみてください!
エルサルバドルはどんな国?
エルサルバドルは、中央アメリカの太平洋側に位置する国で、面積は中米の中で最も小さい国です。首都はサンサルバドルで、温暖な気候と豊かな自然が広がる国です。標高の高い山岳地帯が多く、コーヒー栽培に適した気候と土壌を持っています。エルサルバドルの経済は農業が中心で、その中でもコーヒー産業は重要な位置を占めています。
エルサルバドルの国土は比較的小さいですが、標高差が大きく、さまざまな気候帯が存在します。そのため、コーヒー栽培には理想的な環境が整っており、高品質なコーヒーが生産されています。また、エルサルバドルのコーヒー農園は多くが家族経営であり、伝統的な手法を守りながら丁寧にコーヒーを育てています。
コーヒーの産地としてのエルサルバドル
エルサルバドルは、世界のコーヒー産地の中でも特に高品質なコーヒーを生産する地域として知られています。国内には7つの主要なコーヒー産地があり、それぞれが独自の風味を持つコーヒーを生み出しています。特に有名な産地としては、サンタアナ、アウアチャパン、チャラテナンゴ、サンビセンテなどが挙げられます。
これらの地域は、標高が1200〜1800メートルと高く、温暖な気候と火山性の肥沃な土壌がコーヒーの栽培に適しています。また、エルサルバドルではシェードグロウンと呼ばれる日陰栽培が広く行われており、コーヒーの木を日差しから守りながらゆっくりと成熟させることで、豊かな風味が引き出されています。
エルサルバドルにおけるコーヒーの歴史
エルサルバドルのコーヒー産業は19世紀中頃に始まり、すぐに主要な輸出産品として成長しました。20世紀には世界的に知られるコーヒー生産国となり、エルサルバドルの経済を支える重要な産業となりました。しかし、1970年代から1980年代にかけての内戦や政治的混乱により、コーヒー産業は大きな打撃を受けました。
その後、平和が戻った1990年代以降、エルサルバドルのコーヒー産業は徐々に回復し、特にスペシャルティコーヒーの生産に力を入れるようになりました。高品質な豆を生産するための技術向上や、農園ごとの特徴を活かしたシングルオリジンコーヒーの販売が進み、世界中のコーヒー愛好家から再び注目を集めるようになりました。
エルサルバドルのコーヒー豆の生産量
エルサルバドルは、コーヒー生産量では中米の中でも比較的小規模ですが、その品質の高さで有名です。年間の生産量はおよそ60万袋(36,000トン:2021年)程度で、その多くがアメリカや日本、ヨーロッパ諸国に輸出されています。特に近年では、スペシャルティコーヒーの需要が増加し、高品質な豆が高値で取引されています。
エルサルバドルのコーヒーは、小規模農園での丁寧な栽培と、手作業による選別が行われているため、非常に高い品質を維持しています。コーヒーの収穫期は11月から3月にかけてで、収穫された豆は丁寧に加工され、特にウォッシュドプロセスと呼ばれる水洗処理が一般的に行われています。
エルサルバドルのコーヒーの特徴
エルサルバドルのコーヒーは、滑らかなボディとバランスの取れた酸味、甘味が特徴です。品種によって風味が異なり、ブルボン種はよりバランスがとれた味わい、パカマラ種は明るくフルーティーでフローラルな風味が多く、カップに広がる華やかなアロマが魅力です。
エルサルバドルコーヒーは、そのクリーンな飲み心地から、非常に飲みやすいコーヒーとして親しまれています。
エスプレッソやハンドドリップ、フレンチプレスなどさまざまな抽出方法で楽しむことができます。
エルサルバドルのコーヒー農園
エルサルバドルには多くの小規模なコーヒー農園があり、家族経営で運営されていることが多いです。農園ごとに異なる栽培方法や処理プロセスが用いられており、それぞれの農園が個性的な風味を持つコーヒー豆を生産しています。
例えば、サンタアナにある「サンタ・リタ農園」は、ブルボン種を中心に栽培しており、フルーティーで甘味のあるコーヒーが特徴です。また、アウアチャパン地方の農園では、独自の発酵プロセスを用いることで、より複雑でユニークな風味を持つ豆が生産されています。農園ごとのストーリーや栽培のこだわりも、エルサルバドルコーヒーの魅力の一つです。
エルサルバドルコーヒーの等級
エルサルバドルのコーヒーは、標高や品質に応じて等級が分けられています。等級は主に豆の大きさ、欠点数、そして栽培される標高で評価されます。エルサルバドルのコーヒー等級は以下のように分類されます。
- Strictly High Grown (SHG): 標高1200m以上で栽培されたコーヒー。フルーティーで酸味が強く、複雑な風味が特徴。
- High Grown (HG): 標高1000〜1200mで栽培されたコーヒー。酸味と甘味のバランスが良く、芳醇な風味を持つ。
- Central Standard (CS): 標高800〜1000mで栽培されたコーヒー。酸味が少なく、コクのある味わい。
SHGが最も高品質とされ、特にスペシャルティコーヒーとして評価されることが多いです。
エルサルバドルで栽培されているコーヒーの品種
エルサルバドルでは、主にブルボン種とパカス種が栽培されています。ブルボン種は、甘味と酸味のバランスが良く、華やかなフルーティーさが特徴です。一方、パカス種は、ブルボン種の突然変異種で、小粒ながらも豊かな風味としっかりとしたボディが楽しめます。
近年では、パカマラ種という大粒の豆も人気で、ユニークな風味と滑らかな口当たりが特徴です。パカマラ種は、パカス種とマラゴジッペ種の交配によって生まれた品種で、エルサルバドルの高地でよく栽培されています。これらの品種のバリエーションが、エルサルバドルのコーヒーの多様な味わいを生み出しています。
エルサルバドルコーヒーおすすめの焙煎度合い
エルサルバドルのコーヒーは、その風味のバランスが良いため、様々な焙煎度合いで楽しむことができます。浅煎りでは、フルーティーで明るい酸味が際立ち、爽やかな風味が楽しめます。特にパカマラ種のコーヒーは、浅煎りでその特有の華やかな香りと甘味が引き立ちます。
一方、深煎りでは、コクと甘味が強調され、よりリッチでチョコレートのような風味が楽しめます。エスプレッソやカフェオレにもぴったりで、しっかりとした飲みごたえがあります。焙煎度合いを変えてみることで、エルサルバドルコーヒーの多彩な味わいを楽しむことができるでしょう。
通販で買えるおすすめのエルサルバドルコーヒー
エルサルバドルコーヒーを自宅で楽しみたい方に、通販で購入できるおすすめのコーヒー豆をご紹介します。農園や焙煎所のこだわりが詰まった一杯を、ぜひ試してみてください。
常盤珈琲 エルサルバドル/サンタ・リタ農園 ブルボン NT
常盤珈琲の「エルサルバドル/サンタ・リタ農園 ブルボン」は、甘味と酸味のバランスが取れた上品なコーヒーです。濃厚な果実味、クリアな酸味、華やかなフローラルとシルキーな口当たりが特徴です。焙煎度合いが選べるのも嬉しいポイント。
POST COFFEE エルサルバドル ドン・ハイメ パカス ハニー
POST COFFEEの「エルサルバドル ドン・ハイメ パカス ハニー」は、甘くフルーティーな味わいが楽しめる一杯。ハニープロセスによる独特の甘味が感じられ、ほのかな酸味と滑らかなボディが特徴です。少し深めの焙煎はその甘さとコクを引き立てます。
豆善 エルサルバドル レッドブルボン
豆善の「エルサルバドル レッドブルボン」は、爽やかでさっぱりとした風味とジューシーな甘みを併せ持つコーヒー。焙煎度合いを選ぶことができ、中浅煎りがおすすめされています。
ヒロコーヒー エルサルバドル サンタリタ農園 (100g)
ヒロコーヒーの「エルサルバドル サンタリタ農園」は、爽やかな酸味とナッツのような風味が楽しめる一杯。中浅煎りで焙煎されており、軽やかな飲み口が特徴です。ドリップでもフレンチプレスでも、そのバランスの良い味わいが楽しめます。
丸山珈琲 カフェインレスコーヒー エルサルバドル 深煎り
丸山珈琲の「カフェインレスコーヒー エルサルバドル 深煎り」は、カフェインレスとは思えないほどの豊かな風味が楽しめるコーヒーです。チョコレートのような甘さと深いコクがあり、リラックスタイムにもぴったりです。
まとめ
エルサルバドルのコーヒーは、豊かな風味と高品質で、世界中のコーヒー愛好家に愛されています。小さな国ながらも、バラエティ豊かなコーヒーが楽しめるのは、エルサルバドルの気候と農園ごとのこだわりがあってこそです。ぜひこの記事を参考に、エルサルバドルコーヒーを楽しんでみてください!